競馬専門紙にて記者として30年余り活躍。フリー転身後もその情報網を拡大。栗東の有力ジョッキーとの間には、 他と一線を画す強力なネットワークを築く平林氏が、現場ならではの視点でレースを分析します。
【宝塚記念】今年は群雄割拠!強力な先行馬多く、差し馬有利になるか
2022/6/20(月)
5年前の宝塚記念。大阪杯、天皇賞と連勝できていたキタサンブラック、一度抜いた馬に差しかえされたキタサンブラックを観たのはあれが最初で最後。ものを言わぬサラブレット。敗因は判らぬまま。
今年も蒸し暑さが大敵だ。暑さを跳ね返す若さ、東の元気な4歳馬2頭、タイトルホルダーにエフフォーリア。今年の勢いはタイトルホルダーだが巻き返しは当然ある筈。タフさならディープボンドか。海外帰りが3頭。矢作厩舎の2頭、ステイフーリッシュにパンサラッサ。そして関東馬オーソリティ。また復調なるかデアリングタクト。まだまだ居る、大阪杯勝ちのポタジェと群雄割拠。これだけ前が忙しそうだと差し馬の台頭も。アリーヴォにヒシイグアスの出番も。
【ユニコーンSの回顧】
22年6月19日(日)東京11R ユニコーンS(G3、ダ1600m)
- ペイシャエス
- (牡3、美浦・小西厩舎)
- 父:エスポワールシチー
- 母:リサプシュケ
- 母父:ワイルドラッシュ
- 通算成績:7戦3勝
- 重賞勝利:
- 22年ユニコーンステークス(G3)
フルゲートの16頭には満たないものの、抜けた馬がいなく、どの馬にも勝機があろうかの今年のユニコーンS。やはり結果も7着までがコンマ2秒差の大混戦となった。
真っ先にゴールしたのが関東のペイシャエス。7番人気での重賞初勝利、ペイシャエスの鞍上の菅原明Jはオニャンコポンで京成杯勝利に続く今年2つめ、通算でも3勝目の2019年デビューの4年目で関西の岩田望来と同期の若手ジョッキー。現在、関東5位と馬券戦線でも良く絡むな~の認識を持っている。
ペイシャエスの馬名の由来は父エスポワールシチーの2文字をいただく。デビュー以来、ダート専門の馬。兄弟馬、母の兄弟も調べてみたが著名馬こそ居ないが、ダートでソコソコ走っている血筋であろうか。前走の青龍Sで先行した馬のなかでは踏ん張って電光掲示板に乗ったと、データのなかでは判っていた。だがゴール前でここまで渋とい競馬をするイメージは持てなかった。そこは鞍上だけが判り得るものなのかも。
当方は最後方を追走のハセドンを中心に観ていたが直線半ばでそんな儚い夢も諦めて視線を前へと移したが、ゴール前の大混戦を咀嚼するのに時間がかかった。内めの2頭の伸びがいいのは判ったが、それがどの馬なのかが判らずのゴール前。ただ、赤い勝負服が体半分、前に出たのは判ったし2着もどうやら最内かと。場内アナウンスでそれがペイシャエスと判ったぐらいだった。
PVを見直すと先行集団のすぐ後ろを付いて行き、直線で前の馬の間から勢い良く伸びて行く姿はとても前走のイメージとは違ったもの。1番人気支持のリメイクも良く頑張ったが6着止まり。ジュタロウは10着。初ダート組ではタイセイディバインが大激走の5着。インダストリアはダート適性より熱中症とか。関西馬セキフウを先週の展望で《今回はどうかと》と既に読めていない。ダートも芝も重賞も厳しい結果ばかりが続いている。
プロフィール
平林雅芳 - Masayoshi Hirabayashi
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、その情報網を拡大し、栗東のジョッキーとの間には他と一線を画す強力なネットワークを構築。トレセンおよびサークル内ではその名を知らぬ者はいないほどの存在。